車輌プロフィール
「白鳥座」を意味する「CYGNUS(シグナス)」は、1980年代から、ヤマハが4ストロークエンジンのスクーターに用いてきたモデル名だった。シグナスXは、前身のシグナス125SV(2001年)の後継モデルとして、2003年に発売された。「タフネス・コンフォート・コミューター」をコンセプトに開発され、124ccの空冷4スト単気筒SOHC4バルブエンジンには、無段変速機と前後12インチタイヤが組み合わされていた。その後、2008年モデルでのフューエルインジェクション採用、2013年モデルでのテールランプをLED化するなどの仕様変更を受けていった。なお、シグナスX登場の翌年(2004年)には、スポーティバージョンともいえるシグナスX SRも発表されており、販売の中心は、徐々に「SR」に移行していった。そして、2015年にシグナスX SRがモデルチェンジしたとき、そこに「シグナスX」の文字はなくなっていた。しかし、シグナスX SRが再度のモデルチェンジを受け、2019年モデルが発表されたとき、モデル名から「SR」の文字がなくなり、再び「シグナスX」となった。つまり、SRの系譜の中での「再登場」というかたちとなった。再登場したシグナスXは、LEDヘッドライトの採用でシャープなフロントマスクを得たほか、フロントボックスに充電用の12V・DCソケットが装備されていた。そして、2021年12月には、水冷エンジンを搭載した「シグナス・グリファス」が後継モデルとして登場し、シグナスXというモデル名は、再び姿を消した。これでシグナスXとしての系譜に幕を下ろしたかに思えたが、2025年9月、台湾市場向けに、新しいシグナスXが発表された。この新生シグナスXは、シグナス・グリファスゆずりの水冷エンジンを搭載しつつ、シグナス・グリファスのフレーム改良やフロントホイール&タイヤサイズの変更、サスペンションの最適化などが行われていた。そして、2026年5月から日本市場でも発売された。かつてシグナスX SRがモデルチェンジを期にシグナスXへと名称を戻したように、シグナス・グリファスがモデルチェンジするのを期に、新しいシグナスXが誕生したかたちとなった。